観葉植物の中でもその生命力の強さと、デザイン性の高さから特に人気な”パキラ”ですが、乾燥を好む植物であるため、ハイドロカルチャーには向いていないという意見も多いのも事実。実際に私も、ハイドロカルチャーでパキラをダメにした経験があります。
ですが、一言で「ハイドロカルチャー」と言っても培養土の種類は豊富です。常に一定の水量を確保しなくてはいけない、ハイドロボールや木炭などとは違い、”セラミス・グラニュー”では、常に水を貯めておくことはしません。つまり、ハイドロカルチャーでも”セラミス植え”であればパキラの好む環境で育てることができるのです。
今回は、”セラミス植え”のパキラを丸坊主にしてみた結果を記事にしました。ハイドロカルチャーを考えている方の参考になれば幸いです。
【結論】丸坊主にしても、しっかり枝葉が芽吹きました。
結論から申し上げると、丸坊主にしたパキラから、新たな枝葉が芽吹くのを確認しました!
費やした期間は、ざっくり1ヶ月
9月11日に不細工に伸びてしまった、パキラの丸坊主剪定をおこないました。その際に、幹の長さも少し短くしてます。
10月4日に発芽を確認しました。
二箇所生えてきてます。どちらも窓側の日が当たりやす方でした。
丸坊主にしてから、やったこと
- 鉢を4号サイズに植え替え
- ハイドロカルチャー用の活力剤を使用
- 5日一回程度のたっぷりの水やり
- 継続的な部屋の換気
- 適度な日差しの管理
以上、一つづつ解説します。
鉢を縮小
鉢を二回り以上小さい4号の鉢に移し替えました。
理由としては、既存の鉢が大きすぎて、水の加減が難しくなってしまっていたからです。植物のサイズに対して、鉢は小さすぎると根詰まりを起こしてしまいますが、逆に大きすぎると、水加減の調整が難しくなるというデメリットがあります。今回のパキラは、3本の編み込みで植えられていたのですが、2本がダメになってしまった経緯があり、無駄に大きな鉢に1本だけが植えられている状態になっていました。そのため、剪定するタイミングで植え替えすることにしたのです。
今回は成功しましたが、丸坊主にするタイミングで、植え替えをするのは根付かない等のリスクしかないと思うのであまりおすすめはできません。
また、今回は一般的なセラミス植えでは使わないような鉢を使っています。
セラミス植えでは、底に穴が空いていない容器を使うのが一般的ですが、私の場合は、セラミス植えの時には底に穴が空いているものも使うようにしています。特にパキラは底に穴がある通気性の良い容器で育てた方が、元気な気がするからです。あくまで経験上の気がする程度ですけどね。
活力剤の使用
葉に元気がない時や、植物をより生き生きとさせたいときに使う活力剤ですが、植え替えのタイミングや、これから新芽を出して欲しいときに活用するのはおすすめです。
ハイドロカルチャーは、植物を大きくしたり、開花させたりするような成長を楽しむ栽培には向いていないので、基本的に活力剤や肥料を頻繁に使うことはありません。使ったとしても、土で育てるような効果は得られないからです。逆効果で、水が汚れたり、使っている培養土の汚れやカビとなる可能性もあります。
なので、利用する際には、ポイントを絞って効率的に利用するようにしましょう。また、土植えに使うものを薄めて使うこともできますが、できればハイドロカルチャー専用の活力剤や肥料を使うようにしましょう。水への影響が少なくすみますよ。
5日一回程度のたっぷりの水やり
セラミス植えでは、表面のセラミスが渇いたのを確認してから3日後ごろに水をあげるのが一般的です。ですが、今回は暑日が続いたことに加え、植え替え直後+丸坊主という特殊環境だったので5日間隔であげるようにしました。底に穴が空いている容器を利用しているので、根腐れの心配はほとんどないのですが、水のやりすぎには注意が必要ですので、下から漏れてこない絶妙な量をゆっくりとあげるようにしました。
継続的な部屋の換気
熱帯地域で育つ植物にとって、水以上に大事なものが、風です。空気が循環していない場所では、病気のリスクが上がったり、植え込み表面のカビの原因にもなります。扇風機を直接当てるようなことはしなくていいので、換気をして空気を循環させる工夫が必要です。
適度な日差しの管理
今人気の観葉植物のほとんどはレース越しの日差し程度が理想とされていますが、パキラももちろんレース越しの環境でもしっかりと成長してくれますが、実は外で育てても生きていけるくらい日差しに強いです。ずっとレース越しに育てていたものを急に外に出すと葉焼けを起こしますが、しばらくの期間、外に放置することで次第に順応していきます。実際に我が家では、実生のパキラを外で育てていますが、元気に真夏を越しました。
そんな適応力抜群なパキラですが、今回は植え替えた直後ということもあり、北部屋のレース越しの光という絶対に直射日光に当たらないところで管理しました。植え替え直後は日差しを避けるのが一般的ですのでそれに従った形です。
また、ハイドロカルチャーでの栽培は日差しに弱い傾向があります。理由は、日光が水の温度を上げてしまうことが原因です。水は土よりも熱を伝えるので、水が温まることで根にダメージを与えてしまい、最悪の場合根が腐ってかられてしまいます。また、カビの原因にもなるので、ハイドロカルチャーでは日光を避けるようにしましょう。
ハイドロカルチャーでも、パキラは元気に育ちます
今回のまとめです。
ハイドロカルチャーでも適切な管理ができれば、瀕死のパキラを元気にすることがきるということをご案内しました。
ハイドロカルチャーは土の栽培に比べて失敗のリスクが高いイメージがあります。実際にそうであると私も考えていますが、5年ほど実践してみての感想としては、そのほとんどは、最初の植え替えで根付かないことと、水加減、空気の循環だと思っています。その3点さえクリアすれば植物は土じゃなくてもすくすく育っています。
土の栽培に比べて本当に手間がかからず、衛生的な栽培方法なのでもっと実践する人が増えてくれると嬉しいです。薬剤費もほとんどかからないので経済的にもおすすめですよ。
この記事がハイドロカルチャーを始めるきっかけになってくれれば嬉しいです。
それでは、また。
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